No.119 2001.7.23
参議院選挙が佳境を迎えています。
選挙カーから、身を乗り出して手を振っている「ウグイス」の顔も汗まみれです。
それでも笑顔は忘れない...
前回選挙の時にお仕事をした、「手振り隊」の真理やんを思い出してしまいました。
担当者
「それでは、今日もよろしくお願い致します。選挙戦ももう終盤です。手振り隊の方たち、力を込めて手を振ってくださいね」
真理やん
「うぃーす!」
手振り隊というのは、文字通り選挙カーから身を乗り出して、街行く有権者の皆さまに手を振って笑顔を振り撒く女性チームの事を言います。
何度目かのシフトで、ウグイスはコチサ、手振り隊は真理やんのコンビが実現する日がやってきました。
幸い(?)その選車には、候補は同乗していなくて、他には運転手さん、そしてもう一人の手振り隊の女性の、4人編成でのスタートでした。
コチサ
「(滑らかな挨拶)...候補の○○、○○をよろしくお願いします」
なんか今日は反応が良い...
気を良くしたコチサは、その声にいっそうの磨きをかけマイクに向かいます。
ん?
それにしても...
なんか今日は注目がありすぎる...
運転手さん
「あのー、危険ですから、もう少し控えてくれませんか?」
コチサ
「ん?声ですか?音量が大きすぎますか?」
運転手さん
「いや、そうじゃなくて...」
運転手さんの視線を追うと、そこには窓から身を乗り出さんばかりに一心に手を振っている真理やんの姿が...
テレビなどでは、「警視庁24時」とか言う番組で目にしたことがあるのですが、実際に「箱乗り(※)」というのを目にしたのははじめてでした。
コチサ
「真理やん、すごいね、でも危ないよ」
真理やん
「えー?何?、聞こえないよ、こっちは体半分以上外に出てるんだから」
コチサ
「だから、箱乗りは危険だって」
真理やん
「何言ってるんだよ、こんなの箱乗りじゃないよ、箱乗りって言うのはこうやってね...」
そういって真理やんは、一層体を外に投げ出します。
「もう止めてください、僕が怒られるんですから...」
運転手さんはもう泣きそうです。
コチサ
「真理やん、パンツ見えるからやめようよ」
そしてもう一人の手振り隊の女性も
「私までやらなくちゃならなくなるから止めてください」
そしてようやく真理やんを、座席に引き戻しました。
コチサ
「真理やん、今までも手を振るとき、こうやってたの?」
真理やん
「いや、今日ほどじゃなかった。でも今日のお客さん反応が良いからついつい体が乗り出しちゃって」
コチサ
「お客さん?」
真理やん
「うん、なんか見られてるとついサービスをしたくなってね」
真理やんは、幼稚園の子供を抱えるヤンママでした。
昔は、長いつなぎの服を着て、箱乗りをして走る車に乗っかっていたそうです。
けんかも強いそうです。
「やるときゃ、なんでも命がけよ」が座右の銘らしいです。
子供は今、お家でビデオを見てお留守番だそうですが、コチサは何のビデオを見ているの?と聞くのを止めました。
真理やんの命がけの手振りが功を奏してか、候補は見事当選しました。
(コチサのウグイスだって貢献してるさ(*_*))
今、参議院選挙の選挙カーから手振りをしている女性を見て、思わず思い出してしまった真理やん。
真理やんならきっと、
「あんたたち、そんな手振りじゃだめだよ。もっと体を乗り出して...命がけだよ、命がけだよ...」
とか言うのかも知れません。
それとも、もしかしたらどこかの選挙カーで、箱乗りをして手を振ってるかもしれません。
そんな事を考えていたら、思わずニンマリとしてしまったコチサ。
件の選挙カーが目ざとく見つけて攻撃をしてきます。
「笑顔のご声援ありがとうございます!」
仕方ないので、にっこり手を振ると、手振り隊の女性たちが一斉に手を振り返してくれました。
※子供は危険だから、マネしちゃだめだぞぉ!
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