No.236「仲良しコチサ姉妹!」  2002.6.26

 写真・・・海

 田舎の妹が頑張っています。

 子供3人を抱え、義理の両親と同居しています。

 介護が必要な義理の祖父まで抱え、栄養士の資格を持つ妹は、家族全員の栄養管理の名のもとに3食4世代全ての食生活の面倒をみています。

 そんな妹が、化粧品の営業員に加え、お寿司屋さんでの昼間の調理パートの仕事も始めました。

 何処にそんな時間とパワーがあるんだ?・・・

 スキあらば、サボることと眠ることを虎視眈々と狙うコチサにしては、考えられないことです。

 でもコチサも姉として、少しでもそんな妹を助けてあげようとあの手この手で応援しています。

 化粧品も買ってあげたいのですが、コチサは肌が弱く、自作の化粧水しか使えないので、とりあえずサンプルで使って大丈夫だったものだけでも取り寄せる事にしています。

ライン

 コチサ

 「あのさ、ファンデーション無くなったんだけど送ってもらおうかな」

 妹

 「毎度ぉー」

 コチサ

 「あのさぁ〜」

 妹

 「わかってる、またツケやろ」

 コチサ

 「うん。年末帰った時でいいかな?」

 妹

 「そりゃ長いツケやな、まぁええわ、私が立て替えといてあげる」

 コチサ

 「いつも悪いね」

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 写真…花びら1 これでは、妹を助けているんだか足を引っ張っているんだかわかりません。

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 妹

 「所長さんが言うんよ。お姉さんはたまにしか買うてくれへんけど、いつも厳しい意見を聞かせてくれよるねって・・・」

 コチサ

 「そりゃね。大きな会社になって欲しいからね、親心さ」

 妹

 「それに、大口購入者しかもらえないプレゼント品を何故かしっかりもらってくって・・・」

 コチサ

 「ブニがあるからな」

 妹

 「要領が良いんやろ、ずーと昔からや、ほんまに羨ましいわ・・・」

 コチサ

 「あんた、生活困ってんのか?」

 妹

 「そりゃ困ってへんかったら働かんわ。でも姉ちゃんをみてたら生活苦しいなんて言うのはバチが当たるわ。いくらうちでも化粧品代くらいは払えるしなぁ」

 コチサ

 「・・・」

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 写真…花びら2 そうは言っても、子供が3人もいて、夫側の両親やその祖父との同居ではいろいろ難しい問題があるのでしょう。

 コチサのように今日はお金がないから夕食抜きだとか、チュッパチャップス一本で済ませちゃえとはいかないのでしょう・・・

 それはそれで大変だなぁと思いました。

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 コチサ

 「結婚しなきゃよかったのにね」

 妹

 「姉ちゃん、そんな罰当たりな事を言うんやないで・・・こんな生活も私には幸せなんやで」

 コチサ

 「そっか・・・」

 妹

 「ま、まぁ、姉ちゃんは、姉ちゃんの生活で幸せなのもわかっているからな。どっちがどっち言うんやないで。人はそれぞれだからな」

 コチサ

 「何それ?そんな気を使わんでいいよ」

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 写真…花びら3 同じものを食べ、同じ服を着て、同じテレビを見て、同じ本を読んで育った二人ですが、ある時から全く別な道を歩き始めていました。

 青春真っ盛りの頃は、どちらの生き方が人間として正しいのかなんて、口角泡を飛ばしてやりあったものです。

 でも今、お互いに自分たちの生き方の良い面も悪い面も経験し、相手の生き方の良い面も悪い面も理解するようになって、新しい関係が出来てきたようです。

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 コチサ

 「じゃぁ、支払いは年末でということで・・・商品はそっちに届き次第送ってくれたらいいからね」

 妹

 「今手元にあるから、明日送るわ」

 コチサ

 「えっ?どゆこと?それってもしかして在庫?」

 妹

 「違うよ、そろそろやと思って用意しといたんやで」

 コチサ

 「そんなぁ信じられない。まさか売れ残りを送ろうっていうんじゃないでしょうね。腐ってたらやだよ」

 妹

 「そんなわけないやろ」

 コチサ

 「うーん不可解、どうも納得がいかん」

 妹

 「じゃぁ止める?」

 コチサ

 「いややめない。その代わりまけてもらう」

 妹

 「うーんその考え方と発想、こっちが不可解。納得がいかん」

ライン

 バラ 世間も羨む仲の良いコチサ姉妹は、今日もこうして幸せな会話を交わすのでした。


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