コレクターといわれる人に会いました。 何か「これだ!」というのを決めたらとことん集めるのだそうです。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: コチサ 「なんでまた?」 コレクターさん 「まぁ生きがいかな」 コチサ 「へぇすごいっすね」 コレクターさん 「まぁそうですよね。そのぐらいしか返事のしようがありませんよね」 コチサ 「いや、そういうわけでは・・・」 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: コレクターさんがいうには、そのものが本当に好きでその好きなものを徹底的に集めるタイプと、このコレクターさんのように「これだ!」というインスピレーションによって集めるタイプとあるそうです。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: コチサ 「家の中は大変でしょうね」 コレクターさん 「お金持ちの人たちは別に部屋を借りたりする人もいるんですよ」 コチサ 「へぇーそりゃまた」 コレクターさん 「まぁ僕の場合はそこまでじゃないですけど、でもインテリアというか部屋に独自の個性っていうのが出ますよね」 コチサ 「そりゃそうっすよね。まさに個性の塊っていう部屋でしょうね」 コレクターさん 「でも多かれ少なかれ、部屋って言うのはそうやってその人の個性が出て、はじめて生きてくるんじゃないでしょうか?」 コチサ 「生活感みたいなものですか?」 コレクターさん 「それとはちょっと違って・・・ほら生活感って言うのはちょっと所帯じみていて嫌がれる部分があるけど、個性って言うのは部屋が無味乾燥じゃないっていうか・・・無味乾燥な部屋だと例えおしゃれな部屋でもその住人まで無味乾燥な気がしてなんかねぇ・・・」 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ふーん、奥が深い… 確かに、生活感のある部屋っていうのと個性のある部屋っていうのは違うのかもしれない。 でもコチサはコレクターじゃないし・・・ じゃぁコチサの部屋は、生活感も個性も全く無い、無味乾燥の干乾びた部屋なのかなぁ・・・ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: コレクターさん 「そんな事はないですよ。コチサさんだって、何か好きなものがあって無意識のうちにそれが貯まっていたりするものがあるんですよ。それを部屋に並べれば、個性的なコレクターの部屋になりますよ」 コチサ 「べ、別にコチサの部屋はコレクターの部屋にはしたくないから・・・」 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: とは言ったものの、「個性的」という言葉に惹かれて、コチサは家に帰ってから改めて部屋を調べて見ました・・・ すると・・・ あれ? これってもしかしてコレクター? コレクターさんに言わせると、一般の人が持っている数より明らかに大量に持っていればもうそれはコレクションと言ってもいいとの事・・・ 出るわ出るわ・・・ コチサの部屋から出てきたのは、「帽子」の山でした。 そうだ、そう言えばコチサは帽子が好きなんだ。 いつも帽子をかぶっている。 でもすぐに飽きちゃうから、また新しい帽子にして、気が付くとどんどん貯まっていったんだ・・・ クローゼットの奥に押し込まれたこの帽子たちをきれいに部屋に並べたら・・・ あら不思議・・・ なんかとっても不思議な空間が出来上がりました。 これが「個性的な部屋」なのかな? 確かに、部屋が無味乾燥から、なんか住んでいる人の息吹が感じられる部屋になった気がします。 それに・・・ いったんは飽きてしまった帽子だけど、こうして並べて見ると、またかぶりたくなる新鮮さが沸いてきます。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: コチサ 「もしもし、昼間はお世話になりました、コチサです」 コレクターさん 「あぁどうも・・・」 コチサ 「お蔭様でコチサの部屋もすっかり息吹が沸いてきました」 コレクターさん 「?」 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 訳がわからないというコレクターさんに事情を説明・・・ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: コレクターさん 「素晴らしいですね。本当に自分の好きなものが、気が付いたら貯まっていて、それを並べたらますます好きになった・・・それこそ本当のコレクションの姿だと思いますよ」 コチサ 「まぁコチサがコレクターかどうかは別にして、そうだコチサは帽子が好きなんだ・・・こうして並べていると、明日はどれをかぶって行こうかってワクワクしてくる・・・それはなんか楽しいなって思っちゃいました」 コレクターさん 「それは良かった。コチサさんに少しでも、私たちコレクターの気持ちって言うのが感じてもらえれば、なんか嬉しいです」 コチサ 「それがさぁ・・・」 コレクターさん 「な、なんか嫌な予感がするんですが・・・」 コチサ 「コチサももう少しそのコレクターさんたちの気持ちをわかりたいんだけど、それには帽子のコレクションが少なすぎるんだよね」 コレクターさん 「やっぱり・・・そう来ましたか?」 コチサ 「どうでしょう、ここは一つ、一億総コレクター時代を祝して・・・コレクター協会会長がコチサに帽子をプレゼントするというのは?」 コレクターさん 「いつから私がコレクター協会の会長になったんですか・・・それにコレクションっていうのは自分でコツコツためていくのが楽しいんで、人からもらうなんて邪道ですよ・・・もしもし?もしもし?コチサさん聞いています?」 コチサ 「(ツー、ツー、ツー)」 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 作戦失敗! |
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