師匠 「今度の日曜、大道芸のイベントがあるんだけど出てくれる?」 コチサ 「へっ?誰が?」 師匠 「えーとね、芸名はマドモアゼル・サチ!」 コチサ 「へっ?」 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ということで、芸としては何も出来ないコチサが大道芸人としてイベントに登場。 師匠と風船パフォーマンスのブランドルさん(アメリカ人なんだ)、それにジャグリング7つをこなす若手ナンバーワンといわれるカズホさん(この人は来年一月からディズニーランドに出演が決定している)・・・ そんな中に何故かコチサが「ワドモアゼル・サチ」として参加している・・・ まさにトホホ・・・ そして当日はあっという間にやってきました。 コチサ 「師匠、コチサは何をすればいいんですか?」 師匠 「んー、そうだね皿回しやろうか」 コチサ 「皿回しですか?かつて一度しか成功させたことないですよ」 師匠 「それで充分」 コチサ 「充分って、失敗したらどうするんですか?」 師匠 「良いんだよ、ピエロなんだから」 コチサ 「ピ、ピエロ?」 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: そんなわけでコチサは、こんな格好をさせられてしまいました。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: コチサ 「まぁいっか、で、ダンドリはどうします?」 師匠 「任せるよ」 コチサ 「任せるって・・・一応シナリオ決めないと、何処でどうやって突っ込んだりボケたりとか・・・」 師匠 「まぁ今日3ステージあるんだから、やりながら徐々に決めていけばいいよ。3回目くらいになるとうまくいくよ」 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: じゃぁ、一回目二回目のお客さんはどうなるんだい? ブー!!!! 嗚呼、開演のブザーが・・・ 段取りが無い以上、もうこうなったら適当に動くしかありません。 師匠の、フランスで買い付けたというストリートオルガンを回します。 「あ、あれ?音が出ない?」 脇でチャプリンを演じている師匠が、コチサに必死に目でコチサに合図を送っています。 一層、オルガンを回す手に力が入るピエロコチサ。 師匠の顔が段々引きつってきます・・・ 何で? :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: コチサ 「結局、壊れちゃいましたね」 師匠 「またフランスに送って修理に出さなくちゃ」 コチサ 「日本じゃ出来ないんですか?」 師匠 「こういうのを作るメーカーは日本にはないんだよ」 コチサ 「んー全く、もっと頑丈に作って欲しいものですね」 師匠 「反対に回せばどんな頑丈なものでも壊れるでしょ」 コチサ 「コチサはどうりでハンドルが重たいと思いましたよ。まさか反対だったなんてね」 師匠 「普通は気がつくでしょ。こっちもステージから合図を送っていたし」 コチサ 「師匠、割と必死な顔してましたよ。オルガン壊れるんじゃないかってビビッテましたよ」 師匠 「わかってたんなら、回すの止めてよ。そしたら壊れなかったのに」 コチサ 「もう止めましょう。何を言っても後の祭りです。それより次のステージの対応考えなくちゃ」 師匠 「それって、僕の台詞でしょ」 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: しかしまぁ、八方塞がりの中からでも灯りは見えてくるものです。 2回目3回目のステージも何とか無事に終わり、コチサピエロのデビュー戦は幕を閉じました。 コチサ 「いやー楽しいイベントでしたね。あっ、串焼きもう一皿追加お願いします」 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: コチサ達は、打ち上げと称して新宿の串焼き屋さんで祝杯をあげています。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 師匠 「これから毎月あるけど、どうやら出来そうだね」 コチサ 「えぇ、ピエロのマドモアゼル・サチとして出来る限り参加させていただきます」 師匠 「でも少しずつ芸の方も覚えていってね」 コチサ 「カズホさんの7つのジャグリングにはとてもかないませんが、コチサも3つは完璧にこなせるように努力いたします」 師匠 「頼んだよ」 コチサ 「はい、もう一日24時間が練習と心得ます」 師匠 「全く、口だけなんだから」 コチサ 「失敬だなぁ。今この時だってコチサは稽古の事を頭から離してはいません。このお肉の刺さった串焼きをジャグリングのピンとすると、一本、二本・・・あー一本足りない・・・すいませーん、串焼きまたまた追加デース!」 |
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