お友だちのビリー君が、フルマラソンに挑戦することを決めました。 これまで10キロが限界だったビリー君ですが、コチサの闘志あふれるフルマラソン完走に刺激されて大きな決断をしたようです。 真夏の最高気温が話題になる「群馬県伊勢崎市」の沿道を、ビリー君はトレーニングの汗で濡らしているでしょうか? ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: コチサ 「やぁ、頑張ってる?」 ビリー君 「この秋の群馬県民マラソンで10キロ、翌年の横田基地のフロストバイトロードレースでハーフ、そして3月の荒川マラソンでフル。去年コチサさんの辿ったゴールデンコースですよ」 コチサ 「厳しいよ」 ビリー君 「だから、行内のみんなに宣言しちゃったんですよ。もう言っちゃったら引くに引けないですからね」 コチサ 「ビリーは、義理堅いからね」 ビリー君 「臆病なだけですよ」 コチサ 「時にはアバウトないい加減さも必要だよ」 ビリー君 「それが出来たら、もうちょっと軽快な人生を歩めるんですけどね」 コチサ 「アレックス君、みたいにね」 ビリー君 「それは、ちょっと・・・」 コチサ 「大丈夫だよ、アレックス君、パソコン壊れて、もう買い換えないらしいから」 ビリー君 「(汗)」 アレックス君はビリー君の先輩です。 大手銀行に勤める二人とコチサの出会いは、アレックス君が支店長、ビリー君が支店長代理の時でした。 そして、ビリー君が支店長になったとき、アレックス君は理事に昇進していました。 ちょっぴり要領の良いアレックス君と、アレックス君をたてながらマイペースに自分に正直に生きているビリー君は良いコンビです。 でもアレックス君は、時々ずるをします。 62キロを歩いた「小諸ふれあいウォーク」の時、小僧コチサに負けるのが悔しくて、最後の最後でショートカットをしてコチサを抜いたせこさに、コチサは自分に似ているこずるさを見てしまいました。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: コチサの入院中、ビリー君はこまめなメールと、お菓子を贈って励ましてくれました。 アレックス君からは、封筒に手書きの便箋が送られて来ました。 「こういう時はね。 手書きの手紙が一番効くんだよ。 印象が強く残るのさ」 アレックス君はそう嘯いたと言います。 しかし実際に、入院中、コチサは何度もその手紙を読み返すことになりました。 悔しいけど、アレックス君の術中にはまったわけです。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ビリー君が支店長に昇進して数年が経った頃、ビリー君のふとした会話の中に「風格」を感じたことがあります。 それは、支店長になって、地元の偉い人たちとの付き合いが増え、自然と身についた「風格」です。 その風格は、ビジネスではその人を大きくして、より大きな仕事への自信と信頼を勝ち取るものです。 でも、いつもその日暮らしの仕事に「ふーふー」言っているコチサと、マラソン大会やもんじゃ焼きを食べている時にはあまり必要のない「風格」でした。 コチサは、ビリー君の中にアレックス君を見たような気がしました。 コチサ 「で、どう調子は?」 ビリー君 「完走を目指します」 コチサ 「コチサも出るからね」 ビリー君 「だ、大丈夫なんですか?」 コチサ 「あたり前じゃん。コチサランナーズクラブの会長が走らないでどうするのさ」 ビリー君 「楽しみですね」 コチサ 「奥さんとカポちゃん来る?」 ビリー君 「まだ、わからないですけど、なんで?」 コチサ 「また一緒に、もんじゃ焼きと、焼きまんじゅうが食べたいから」 ビリー君 「そんなのでいいんですか?」 コチサ 「そんなのだからいいんだよ」 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 日々変わって成長していきたい自分の中にも、絶対に変わりたくないものがあります。 特にお友だちとのお付き合いは、いつも最初に出会ったときの、楽しい思い出が心の中に刻まれています。 その時間だけ、お互いに「今」を忘れて、その日に戻って遊べるから、また元気になって「今」に戻れる気がします。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: コチサ 「また仲間を集めて、駅伝大会にも出たいね」 ビリー君 「そうですね、じゃぁ誰かに・・・じゃなくて、私が集めましょう」 コチサ 「悪いね、いつも」 ビリー君 「コチサさんとは、それが私の一番心地よいポジションですから」 コチサ 「じゃぁ、今度のマラソン大会もビリでゴールしてね」 ビリー君 「えっ?」 コチサ 「いつも、コチサ、アレックス君、ビリー君の順番でゴールしてたじゃん」 ビリー君 「えー、それもポジションがあるんですかぁ」 コチサ 「当然じゃん!」 夏が終われば、またランニングの季節。 大好きなお友だちと、また大会参加の計画が始まります。 楽しみ、楽しみ。 |
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