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FILE13-ネットノーマルのあべちゃん
12/30days
コチサのペッパーフレンズ●益田沙稚子 

足下を気にするブレたコチサ


あべちゃんが自分のお店に招待してくれたのは、メール交換が50回を超えた頃です。「無頼派あべちゃん」は、徹底的に男尊女卑でフェミニストの陰も形も無い人でした。勿論最初はカチンときたコチサの戦いメールが主体でした。
「男とか女とかやめません?人間同士として話せませんか」「あんた何言ってるの、男か女か基本が無くちゃ話せないだろ」「じゃぁおかまは?」「おかま?そんなのクズだ」「失礼ですよ、おかまの人に」「コチサ、おかまの友達いるの?」「いないけど」「じゃぁいいんだよ」
コチサはあべちゃんが週三回赤坂のスポーツジムに行くこと、体を鍛える事に無情の喜びを感じていること、好きなタイプはノリピーであることなどを知りました。女性を侮蔑しながらどこかに優しさを感じられるあべちゃんのメールは、コチサにとって良いフラストレーションの発散になっていました。うまが合ったのかもね。
あべちゃんのお店は少し入りにくい気がしました。「写真より可愛いじゃない」って出てきたあべちゃんは、「正真正銘のおかま」でした。「クズがね、ちょっと普通をやってみたくて」って笑って、あべちゃんは「おかま界のしきたり」を詳しく教えてくれました。あべちゃんはおかまランクCだそうです。
自分は「彼氏のいないおかま」だからいろんな冒険が出来ると言います。「ネットおかまはたくさんいるけど、ネットノーマルってのは少ないかと思って」チャットに参加したりメールを送ったりするそうです。
あべちゃんの得意なステージ「象さんのお鼻」は限りなく低俗で永遠に楽しめるものでした。大笑いするコチサを見て、「今度はフェミニストのネットノーマル」になるとあべちゃんは言いました。
おや、今日のコチサ、何を訴えるのでもなく結論付けるのでもなく、それでいて味わい深いぞ。いよいよ文章の真髄に目覚めたか!


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