307ch
FILE16-代理妻七転八倒
15/30days
コチサのペッパーフレンズ●益田沙稚子 

帽子のロゴにご満悦のコチサ


「営業コチサ」中で「声の代理妻」は、ほんの思いつきの企画でした。まさか本当に注文してくる訳はないや、という目論見もありました。ところがこれが結構依頼されます。
コチサが週に1回、計5回に渡って留守番電話に労りのメッセージを吹き込むのですが、思った以上に恥ずかしいものだと言うことが判明しました。
「お帰りなさい、××さん。今日はお仕事どうでした?」この調子で数分は話します。一応、手元には相手の趣味や興味を聞き出した資料はあるのですが、ほとんどがアドリブです。そして顧客が複数の場合、混乱が生じちゃったりします。学生と社会人を混同したり、職業を間違えたり。最初の頃は結構プレッシャーを感じたりしました。
苦しんだ末、コチサは歌を歌う方法をあみ出しました。言葉に詰まるといきなり歌を歌うのです。これは好評でした。そして録音時間は結構伸びていきました。
すると、これを逆手に取った人が出てきました。コースケさんです。電話をかけるといきなり留守番電話がデュエット曲の男性パートを歌い出しました。そして「はいっ」と促してから録音許可のピー音が。焦ったけど何とか歌いました。でも気に入らないのでもう一度かけ直しました。こうして幻のデュエット第一弾「ヒデとロザンナ−愛の奇跡」が完成し、コースケさんの編集により送られて来ました。
この遊びににははまりました。どっちが料金を払っているのか解らないほど楽しませて頂きました。おかげでコースケさんは延長が5カ月続きました。しかし自分の留守番電話にいきなり歌を入れちゃう、他の人からだったらどうするんだろう?コースケさんはめっきり電話が少なくなったと言っていました。
友達を失いながらも、コチサとのアバンチュールを楽しんでくれたコースケさんのように、皆さんもいかがですか?
「声の代理妻」はまだまだ受け付けています。


<BACK  NEXT>