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FILE26-ユンさん、サランエミロ
25/30days
コチサのペッパーフレンズ●益田沙稚子 


ユンさんは韓国からの留学生、イベントの通訳のボランティアで知り合いました。細い体にまん丸眼鏡、大人しい穏やかな人です。その後気があってよく事務所に遊びに来てくれるようになりました。事務所で夕方皆でランニングに出る時なんてユンさんが留守番をしてくれる程です。こういう場合ユンさんはほとんどソファーで寝ています。電話がなっても出ません。だから役に立たないのですが、憎めないキャラクターなのです。
コチサは韓国演歌が何故か好きなので、ユンさんによく指導してもらいました。特に「愛の迷路(サランエミロ)」は大好きな曲です。ユンさんは「酒よ」とか日本の演歌を歌います。ユンさんの韓国人論はシビアです「韓国人はその場の感情で感動します。その時言ってることは真実ですが、時が経つと薄くなってしまいます。直情型です」へぇ〜、でもユンさんは違うじゃん。
そんな親しくしていたから、ユンさんが帰国するときは寂しかったです。ユンさんも「きっと手紙書く」と言って大泣きしてました。CDも送ってくれる約束もしました。
二年経ちました。メールが届きました。
「ユンです。連絡をしない僕を憎んでいるでしょう、恨んでいるでしょう、殺されてもいいです。本当にごめんなさい。沙稚子さんが活躍しているの見て感動してメールしました」
そして近況報告と不義理を恥じ頻繁のメールを約束して終わっていました。ユンさんの感動が伝わって来ました。
そして年月が・・・ユンさんからは音沙汰無しです。
ユンさん、あなたの言った韓国人論が本当ならユンさんこそ、押しも押されもしない立派な韓国人だとコチサは思うよ。インターネットでコチサを見つけて、留学時代の想い出に胸が熱くなったんだね。そして一気にメールを書き上げた。でも日常生活あるもんね。また忘れてしまった。でもまた逢えばあの感動が蘇るよね。憎めないユンさん。


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まとわりつく裾を気にするコチサ