外郎売の歴史について

「外郎売り」は1718年(享保3年正月)、江戸の森田座で初演されました。

 二代目市川団十郎さんが、「若緑勢曾我」という出し物に畑六郎左衛門という役名で外郎売りに扮して、滝のような弁舌でいい立てをしたことから大評判となりました。

 そしてそれ以降、独立した一幕となったり、他の狂言に織り込まれたりして上演されてきたそうです。

 鎌倉建長寺を開いた大覚禅師に従って日本へ渡ってきた「外郎」という人物が、小田原に住んで売り広めた「頂透香」を、俗に「外郎」といい、婦人病に特効があったといいます。

 このお芝居は、その外郎を宣伝して売り歩く行商人の身振りを巧みに舞台に取り入れた面白さと、団十郎さん独特の雄弁術が合わさって、今日まで伝統を伝え長らえていると言われています。 

 最近では、1980年5月に歌舞伎座で40年ぶりに十代目市川海老蔵さんが復刻台本を骨子に演じて再び有名になりました。

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